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ワインの真話 第3話 <デカンタージュ(其の一)> 09No110
第3話 <デカンタージュ(其の一)>

 ワインの真話 第3話 <デカンタージュ(其の一)> 09No110_b0179093_21283177.jpg ワインの真話 第3話 <デカンタージュ(其の一)> 09No110_b0179093_21293343.jpg
ソムリエを泣かせるベビーパウダー状のオリが大量に沈澱しているワイン。わが家では唯一デカンタージュ(移しかえ)するワインです。素人のぽん吉ママが移しかえたものですが、ビン底に残しているワインの量が凄いんです。濁っている部分は僅か40cc程度。有名店でもこの倍の80ccに留められれば合格点でしょう(違いは次回の投稿でご紹介します)。さてこの「デカンタージュ」、ネットで検索してみると数千ものヒットがあり、どれも同じような記述ばかりですが本当でしょうか…



れらの記述をまとめると…
「ワインを別の容器(デカンタ)に移すことで澱(オリ)を取り除くと同時に、ワインが空気に触れて硬く閉じた香りと味が開く」そうですが、殆んどの場合、デカンタージュすることで味が一見派手になるだけで「百害あって一利」しかありません。一利は澱を除けることです。香りや味はデカンタージュ前より少々強い印象になりますが開いている味わいとは全く違います。「バランスを整える」と言う記述もありますが、これも"西瓜 "の問題です。「美味しい温度 」でも少し触れましたが、味わいを開かせることが出来るのは空気ではなく"時間"なのです。逆に味わいが閉じる原因もまた"時間"ですが、間違えた取り扱いによって開いているワインを閉じさせていることに気付いていないことが多いように見えます。 ワインの真話 第3話 <デカンタージュ(其の一)> 09No110_b0179093_22315221.jpg
インは自然サイクルの中で時間をかけて四季がめくるように開いたり閉じたりしながら熟成してゆきます。人の手で味を開かせようとすることは冬眠中の動物を叩き起こすのと同じで、体だけが起きたように見えるにすぎません。実際に全く同じ状態の同銘柄ワイン数本で形の異なるデキャンタに移したものとボトルから直接グラスに注いだものをブラインド(本当に目を閉じた状態)で試飲してみると、信頼出来るテイスターの殆どはボトルから直接グラスに注いだものに挙手します。はなぜデカンタージュをしたがる人が多いのでしょう?1.ワイン学校で教わったから。2.演出が好きだから。3.そもそも実物の"西瓜"を知らないから。の何れかです。もし味わいの為であるとしたら、デキャンタは「グラスの形で味わいが変わる」以上に味に影響しますので何種類もの形のデキャンタを揃えているはずですが、何故か一種類だけだったりします。またデカンタージュを好む人は大きなグラスを好む傾向があるようです。写真のワインもデカンタージュによってバランスが崩れるので最近わが家では、濁らせて犠牲にする量を倍の80ccにしてでもボトルから直接グラスに注ぐことが増えています(もしお店で同じことをしたらハーフボトルの375ccは濁らせてしまうお店が殆どだと思います)。 ワインの真話 第3話 <デカンタージュ(其の一)> 09No110_b0179093_2142505.jpg

「その昔、宮廷での給仕の際、澱が多いワインを注ぎ回るのが大変なので綺麗なデキャンタに移して手抜きを試みたところ、見た目にもパッと見の味的にもウケが良かったことが始まりで、以降ウンチクを添えて広まった…」 とは、ロマンチックなぽん吉パパの空想です。 by.ponkichiパパ
by a-ponkichi | 2009-06-21 22:16 | ワイン(下記タグ参照)
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