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ワインの真話 第20話 <反比例する料理とワイン> 10-126
第20話 <反比例する料理とワイン>

「ヌーヴェルキュイジーヌ」という言葉を初めて耳にしたのはいつ頃だったでしょう。フランス料理の定番だった「焦がしバターソース」や「白ワインバターソース」、また生クリームをたっぷり使った「魚のムース」は見事にレストランのメニューから無くなりました。シェフが二十代だとオーダーすることも出来ないかもしれません。バター、生クリームに続いて料理に使われなくなったのがワインとワインヴィネガー、そして料理に合わせた出汁です。
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理の味はどんどん軽くなって近年ついに泡と化したものもあちこちで目(口)にします。しっかりしたソースがあるにはあってもお皿に飛びはねてしまったような量では香りも味も解りません。流通の発達に伴ってフレンチ業界は「食材の味を活かした…」を合言葉に今日の軽い料理に至りました。
方ワインは、
ワイン評論家と醸造コンサルタントなる人々の活躍?によって、ブドウ品種や産地に関係なく色濃くドッシリしたワインが高い評価を受けるようになりました。こちらは「新樽率」を合言葉にカスタード風味のワインがずいぶん増えました。

み物は水でも済ませられるうような軽い料理が主流な一方、ワインには濃さが求められるミスマッチな関係は、ワインを「食中酒」でなくしマリアージュの素晴らしさが古き良き時代への置土産になってしまうような気がしています。
イン関係の大きな協会やスクールではマリアージュの方法を「しっかりした料理にはしっかりしたワイン」と指導し続けていると聞きますが、どういう味が「しっかり」なのかが明確でないため実戦では役立っていないようです。

料理がどうあれドッシリしたワインが好まれる時代、マリアージュは「美食」から 流行り廃りの「ファッション」にかわってしまっているのかもしれません。

by.ponkichiパパ
by a-ponkichi | 2010-03-13 22:26 | ワイン(下記タグ参照)
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