ワインの真話 第15話 <飲み頃とピークと鮮度> 09No347
第15話 <飲み頃とピークと鮮度>

つい口にしがちな言葉に隠れた心理と
あまり聞き慣れない「鮮度」について記しました。

長文です。

専門書を紐解いているわけではありません。
ワインを真に愛し、
寛容且つ体力のある方のみ「続き」をどうぞ…






「若いねー!(または硬いねー!)」…は、
若いワインを飲んだ時に「まだ飲めないよー」と言う意味を含んで使われる場合と、収穫から経過している年数の割りには想像より若さが保たれていると感じた時に使われます。

「枯れてていーねー」…は、
ピークを過ぎたワイン、またはその状態と劣化した状態との区別がつけられていない時に使われますが、「労い」とも「慰め」とも「知ったか」ともとれて複雑です。

 ワインの飲み頃とは、飲む人が「美味しいな~」と感じる頃合のことです。ですからワインの飲み頃と言うより、その人にとっての飲み頃なのです。
ぽん吉パパの場合、鮮度(後述)についてはシビアですが飲み頃については無頓着、どんな頃合いでも美味しくいただいてしまいます。具体的に言うと「ワイナリーを出荷されてからピーク(後述)まで」の全てがぽん吉ババにとっては飲み頃です。
 例えば桃の一般的な食べ頃は皮全体が赤く染まり軟らかくなり始めた頃だと思いますが、生産地の多くの人達にとっては色付く前のカリカリしている状態が食べ頃です。
桃の里でもっともらしく「まだ若いねー!」なんて言ったら???です。

はワインのピークとはどういう状態でしょう…。
酸味や渋味 果実味などが自立しながら最も甘く感じるタイミング。
桃に例えると皮の色に茶が入る一歩手前の状態でしょうか。
茶色くなっても食べられますが、わざわざお金を払ってとは思いません。
ところがワインの場合はこのような状態に大枚をはたく人が少なくありません。多分、熟成を迎えた当たり年と言われるワインに拘りがあるのだと思いますが、実際手に(口に)しているものは飲み頃とは程遠く、既に劣化している(鮮度を欠いている)ものが多いように見えます。
このような場には何度居合わせても切なくなります。
 「熟成」と「劣化」の区別は、「美味しい不味い」 または 「判る判らない」 という個人差があるような感覚器官による要素だけではありません。
ぽん吉ママは劣化したワインを我慢して飲むとその場でお腹をこわします(もちろんトイレでですよ!)笑。
野菜やお米でお世話になっているオゾタグロワーズの若社長は体中に発疹します。体内に入れてはいけないものを細胞レベルでも判断してるのです。これはかなり反応が早い例ですが、反応が半日かかる例が「ワインを飲むと二日酔いする」です。誰にも覚えがあるのではないでしょうか。
間違えていません。
もっと正しく言うと「劣化したワインは二日酔いしやすい」です。
「熟成」と「劣化」の区別ができる人のデメリットは、
飲めるワインが極端に少ないことと、
楽しんでいる人の輪に入れないこと… トホホ。

 出荷とピークの間に人それぞれの「飲み頃」があり、どっち寄りを美味しく感じるかは好みで、誰かが決めるものではありません
 「若いねー!(または硬いねー!)」 や 「枯れてるねー!」 は使い方によっては、ワインではなく発言者本人を指していることにもなります。ワイン専門誌などでワインを造ったことなどない人が 先祖代々に渡ってワインを造っている人に 造りがどうのとコメントしたり、「まだ若い。飲み頃は20△△年から」 などはその最たる例で、正に釈迦に説法です。

てさて話しを戻して、次の「鮮度」が本題です。
「若いねー!」と言われるワインのことではありません。
熟成ピークのワインにも鮮度は不可欠
銘柄や生産者、ヴィンテージ等より遥かに重要な要素。
理由は簡単、口(体)に入れるナマものだからです
 「ブドウの鮮度」と考えると簡単です。傷や虫食い 病気やカビに侵されず、植物としての生命力と味覚上美味しいと思える豊かな香味成分を有していることです。ワインは、ビールやウイスキー等と違って「火入れ(火当て)」または「蒸留」等の加熱工程はありません。ブドウを搾った液体が発酵しただけ、糖分がアルコールに置き換わっただけの生酒なのです。
 ブドウの健康状態が天候に委ねられるように ワインの健康状態(鮮度)は環境(流通や保管)に全てがかかっています。
ブドウや桃の食べ頃は数日から数週間ですが、ワインの飲み頃は数年から数十年です。この間の僅かな環境の違いで味わいは大きく異なります。気持ち程度に添加されている必要悪の酸化防止剤は、ワインが鮮度を保てるような適切な環境下では威力を発揮しますが、(言わずもがな)ドライコンテナや冷蔵庫、コンビニの陳列棚では焼け石に水です。ワインは、置かれている環境が見えないインターネットで安売りショップを物色したりオークションで落札するような品ではないのです。ちょうど今日(09年10月17日)、シンワアートミュージアム(東京 銀座)でワインオークションが開かれますが、1978年ロマネコンティの落札予定価格が50~80万円、1959年ペトリュスのマグナムボトルが40~70万円だそうです。なんでも 当たり年のワインが揃っているそうですが、お腹があたらないことを祈ってます。

 睨む相手はパソコンの画面ではなく酒屋のオヤジです。
その目が自信に満ちているかを見極めることが必要です。
「飲んでみなきゃ判からない」ような購入はリスキーに過ぎます。
「飲んで判る人」は、
適切な環境下の「飲まなくても判るワイン」を購入するものです。

by.ponkichiパパ
by a-ponkichi | 2009-10-17 09:33 | ワイン(下記タグ参照) | Comments(2)
Commented by chezurano at 2009-10-17 17:03
フムフム。昨日のニュースで大阪市が持っていたワインもオークション
に出品するようです。1921年のロマネコンティなど。埃がすごかったけど???某有名ソムリエが200万円はするって言ってました。お腹壊しそう・・・

ところでマイリンクに登録してもよろしいでしょうか???
Commented by a-ponkichi at 2009-10-17 18:21
ウムウム。さすが1921年となると当時のガラス(ビン)技術には価値がありますね。2万円だったら欲しー!!
リンクフリーでございます(^-^)
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